エンコーダとは
Encoder
ロータリエンコーダとは

こんなところで使われています

エレベータの移動速度、停止位置制御

産業用プリンタのローラー部回転制御

産業用超小型アクチュエータへの搭載

放送用カメラ機器
エンコーダの種類
ロータリエンコーダは、計測方法の違いから大きく次の2種に分類できます。
インクリメンタル方式
インクリメンタル方式とは一様なスリットが入った格子円盤を用いたもので2組の光電素子で検出された信号(A相、B相)が出力される仕様が採用されているエンコーダの事です。カウンターなどに接続して波形の高低の数を回転方向に応じて加減算することで回転の角度を測りますので途中に誤動作があれば、誤差はそのまま残る点が特徴です。

構造

出力波形
アブソリュート方式
アブソリュート方式とは、格子円盤のスリットに各位置ごとで異なる符号を割り当てたもので絶対的な角度位置を出力することができるエンコーダです。その時点で角度は経過に関係なく出力されるのでノイズに強いですが、分解能を高めるためには桁数(信号線本数)を増やさなければなりません。 各位置に与える符号のコード方式は純二進コード(バイナリコード)とグレイコードがあります。
純二進コードは番地の切り替わりタイミングで1つ以上の符号が切り替わるため、符号の読み違いが発生します。一方、グレイコードは1つの符号のみ切り替わります。
ある1桁を読み間違えた場合、純二進コードが大きく離れた位置の符号になってしまうのに対し、グレイコードではせいぜい隣の符号になるだけです。
したがって、通常アブソリュート形ロータリエンコーダにはグレイコードが用いられております。

構造

出力波形
インクリメンタルタイプの出力回路と出力波形について
出力回路図




出力回路図

接続例

長くお使いいただくために
エンコーダ単体の製品寿命としてはLED発光部の劣化によるもので約10年ほどですが、使用環境等外的要因により故障につながってしまうことがあります。
○ノイズについて
エンコーダ矩形波出力波形の平坦部にヒゲのようなノイズがケーブルの長さに応じて発生します。
原因はケーブル内の信号線間の浮遊容量の影響でA相、B相のスイッチング立ち上がり、立下り時お互いの信号線にショックを与えて発生したものです。
したがって、A相のハイレベルの時にB相の立ち上がりのショックがA相のハイレベルの上側にノイズが現れます。
同様にA相のロウレベルの時もB相の立下りで下側に向かってノイズが発生します。
基本的にはシステムの取り込み信号検出(H,L)の範囲外であればまったく問題ありません。 また、下図のようにA相の”H"の次はB相が”H"になってカウントUPをするため、途中でA相がばたついても、カウントUPはしないので問題ないと考えます。
これを軽減するには、負荷抵抗を小さくする、ケーブルを短くする、浮遊容量の少ないケーブルにする、ケーブルのシールド線を0Vラインに接続すると、レベルを小さくする効果があります。
エンコーダケーブルのシールド線は耐ノイズ性を高めるためにもFG(アース)に落とすことを推奨いたします。
また、お客様側のPCBボードも同様にFG(アース)に落とすほうが良いと考えます。
ただしFG側にノイズ源がある場合にはその限りではありません。
○故障の原因について
(1)電源のVccとGNDの逆接続
作業者による配線ミスによる逆接続やコネクタの接続ミスが考えられます。
(2)過電圧
安定化電源等を用いて、供給電源仕様範囲にてご使用ください。
また、他の製品からのノイズの影響を受けないよう配線にご注意ください。
(3)サージ製ノイズ(静電気)印加
弊社で実施している静電気対策をご紹介いたします。
①帯電防止作業着の着用
②帯電防止靴の着用
③作業台はアースのとれたマットを設置。
④工場出入口に、静電気除去パネルを設置。
⑤静電気除去リストバンドを装着
⑥イオナイザーの設置
(4)信号線同士の短絡
信号線同士が短絡することで正しくパルスを受け取れなくなっている可能性があります。
特に不要な配線又は浮いた配線が有る場合、発生しやすい不具合です。
配線の末端部分の確認をお願いします。
○故障してしまった場合
・故障原因、修理可否を判断するために弊社で不具合品調査を行うことができます。
詳しくはこちらに
エンコーダの取付方法
中空軸エンコーダの取付方や注意点をまとめました。
取付部が滑っていると正常にカウントできないことがありますのでご注意ください。
MTLのこだわり~最小への挑戦
常に品質の高いものづくりを意識してきた結果、分解能を下げることなく世界最小クラスのエンコーダの製造・販売が可能になりました。