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MTL マイクロテック・ラボラトリー

QDDモータとは

QDDモータとは

QDD(Quasi Direct Drive)モータは、低減速比のギアとモータを組み合わせた構造で、ダイレクトドライブに近い特性を持ちながら、高トルクと制御性を両立する駆動方式です。

現在は主にヒューマノイドロボットやAIロボット分野で[トルク・サイズ・コスト]のちょうどいいモータとして注目されています。

なぜいま注目されているのか

これまでロボット用途でトルクを引き出そうとすると、高速回転するサーボモータにギアとエンコーダをつけて制御することで駆動していました。
しかしこの構成だと安全性やバックラッシによる位置ズレの問題がありました。
そのため、高精度駆動やバックドライバビリティが求められる部位や用途ではダイレクトドライブモータを採用した制御が用いられました。

一躍話題となったBoston Dynamicsの4足歩行ロボットや中国で盛んなヒューマノイドロボット、制御にディープラーニングを採用しているFAロボットなどここ最近のロボットの進化は著しいです。

そんな中、スポットライトが当たったのがQDDモータなのです。
これには技術の進歩もあり、ギアつきでもトルク密度が3〜5倍に向上していたり、90%近い効率を発揮することができるようになっているためです。
それに加え、低減速比ギア搭載のためバックドライブも可能となっています。

メリット・デメリット比較

DDモータや一般的なギアモータと比較した場合の特徴を整理します。

   
項目 ステッピングモータ ACサーボモータ DDモータ QDDモータ
繰り返し精度
絶対精度
発熱
剛性
中空
サイズ
トルク ◎(高減速) ◎(高減速) △(ギアレス) ○(低減速)
回転速度適正 中〜高速 中〜高速 低〜中速 低〜中速
速度ムラ(低速時) ×
バックドライバビリティ ×
主な構成 ギア・ベルト ギア・ベルト ダイレクトドライブ ギア
コスト
最適用途例 高速回転 簡易位置決め 精密回転(大型) ロボット(小〜中型)

QDDの実際の採用シーン

  • ・検査装置の回転軸(高精度・低振動)
  • ・搬送装置(高トルク・コンパクト設計)
  • ・医療・リハビリ機器(安全性・滑らかな動作)
  • ・ロボット関節(協働ロボット・研究用途・ヒューマノイドや4足歩行)



MTLのQDD

MTLでは、小型DDモータの技術をベースに、低減速比ギアを組み合わせたQDDタイプも取り扱いしています。
用途に応じたトルク設計や中空構造との組み合わせにより、柔軟なシステム構築が可能です。
また、日本国内での生産のため、比較的単納期でモータをお届けできます。

ギアモータ一覧

QDDモータはトルクに注目されがちですが、実際にはベースとなるモータ性能や構造設計によって大きく差が出ます。

MTLでは、小型ダイレクトドライブモータで培った技術をベースに、実用性の高いQDDモータを提供しています。
①DDベース設計による高い制御性
もともと高精度用途に使われるDDモータのノウハウがベースとなっているため、ギア付きでも安定した位置決めとなめらかな動作が可能です。

②中空構造による設計自由度向上
配線・配管を通すことができる中空構造によりロボット関節や装置内部への組み込みがしやすく、設計の自由度を高めます。

③用途に応じたトルク設計・カスタム対応
研究用途や装置開発など要求仕様が固まっていない段階からでも最適な構成を提案可能です。

さらに当社のμDD(マイクロDDモータ)は、

単なるDD化にとどまらず、精密制御に特化した設計を行っています。

特に重要な特長の一つが、電流値とトルクの高いリニアリティ(直線性)です。
一般的なモータでは、摩擦やコギング、構造誤差の影響により、「指令電流に対してトルクが素直に出ない」領域が存在します。
これに対しμDDは、構造最適化および高精度エンコーダとの組み合わせにより、
・指令電流に対してトルクが比例的に出力される
・極低速域でも安定した制御が可能
・微小な力制御やトルク制御の再現性が高い

以上の特長を持つため、”QDD化しても高度なセンシング”が可能となっています。

トルク測定表:7018

採用事例

両腕ロボットアーム:名刺交換仕様

◯ロボットアーム関節(協働ロボット・研究用途)

ヒューマノイドロボットの肩関節にQDDタイプを使用。
およそ2キログラムのアームを±10μmで制御可能。

◯ロボットハンド

ギアレスでは持てなかった重量も減速することで把持可能に。

低減速でバックドライブするので、力覚フィードバック制御も可能。

回転軸はハプティックや力制御で使用する際にも有利な高剛性軸となっており、中継部品を削減してワークに接触できます。

力覚フィードバック可能ロボットハンド

ご相談・技術サポート

構想段階からのご相談も歓迎しています。
「どの方式が適しているか分からない」「必要トルクの目安を知りたい」といった段階でも問題ありません。

  • ・用途に応じたモータ選定(サイズ / 中空 / QDD )
  • ・イナーシャの簡易試算
  • ・既存構成との比較検討

まずはお気軽にお問い合わせください。