DDモータでレーザー強度をコントロール、アッテネータ用途での導入事例
レーザー加工機の業界について
レーザー加工や微細加工の現場では、使用するレーザーの強度をリアルタイムかつ高精度に制御することが求められます。
その中で活躍しているのが「レーザーアッテネータ」と呼ばれる光量制御ユニットです。
今回は、このアッテネータを高精度・高再現性で回転制御する中核部品として、当社の中空ダイレクトドライブ(DD)モータが採用された事例をご紹介します。
アッテネータとは
アッテネータとは、レーザーの出力(光強度)を制御するための可変減衰器です。
レーザーを透過・反射・吸収などによって減衰させ、加工対象や工程に合わせて出力を調整します。
この出力制御が不安定であれば、加工品質にも大きく影響します。

なぜDDモータが必要だったか
従来の減速機付きモータでは、バックラッシ(機械的な遊び)や繰り返し精度の課題があり、レーザー強度の微細制御には不向きでした。
DDモータはギアレス構造の直接駆動が可能なため
・高精度位置決め(0.0001°単位)
・繰り返し精度の高さ
・バックラッシゼロによる応答性の良さが特長です。
また、中空構造を活かしてレーザー軸と回転軸を同一軸にすることができます。

採用ポイント
アッテネータ向けにDDモータを採用いただいた際は、回転式の偏光板/可変フィルタによって透過率を調整する構造が多く、モータの回転角度=出力強度に直結します。
そのため、「停止時の微振動がないこと(静止安定性)」や「微小角での滑らかな動き」が非常に重要な評価項目でした。
μDDモータの小型・静音・高精度回転性能がこれらの要件を満たし、採用に至っています。